DeNAトレバー・バウアー投手(32)が来日2度目の先発で、5回0/3を77球、2安打2三振2四死球1失点と好投した。20年のサイ・ヤング賞投手は、日本では珍しいしぐさを多数見せる。観客が不思議に感じたであろう謎に、バウアーや関係者が答えた。

 

◆謎の動き1 マウンドでの投球練習の際にグルグルと肩を3回、回してから、助走をつけてプレートの後ろから捕手に1球投げる。

バウアー「15歳の頃からずっと続けているルーティンで、人生の半分以上やっているもの。あれを始めた時は、とにかく速いボール、強いボールを投げようと考えていた。それをすることによって思い出す。ここで自分は強いボール、しっかりとした速いボールを投げるんだ、と思い出すためのルーティンに、今はなっているんじゃないかと思います」

 

◆謎の動き2 前記の動作と投球練習を終えると、今度は瞑想(めいそう)するかのように動きを止める。

バウアー「目を閉じて自分の好きな曲を口ずさみながら、このイニング、今この瞬間にやらなければいけないことをつぶやきながら集中している。それもまたルーティンにもなっている。(今日の曲名は)今は思い出せない」

 

◆謎の動き3 通常、横須賀市内で行われているファームの練習では、横浜市内の自宅から電車を乗り継いで通勤している。この日は平塚市の球場(バッティングパレス相石ひらつか)での試合。まさか東海道線での移動か。

球団関係者「今日は通訳が運転する車で来ました」

 

来日2度目の登板には、2569人が観戦に訪れた。開門が1時間早くなるほどの列ができていた。試合の前後には球場の前で、バウアーは詰めかけたファンにサインを行った。登板日に、このような行動を見せる日本人投手は皆無だ。超大物投手は、圧倒的な力量を見せている投球とともに、細かい点への注目度も上がりそうだ。【斎藤直樹】