切り込み大砲! 阪神近本光司外野手(28)が、今季1号アーチとなる先頭打者初球本塁打をかっ飛ばした。

右腕福谷の151キロに「気づいたら打ってました」と反応。超速で右翼席へ放り込んだ。試合開始からスタンドインまで約8秒の“プレーボール弾”。「チームに勢いをつけられるような結果になってよかった」と言った。

初回先頭打者本塁打は21年8月26日DeNA戦(京セラ)以来、2シーズンぶり。通算9本は、球団では吉田義男に並び歴代5位タイとなった。初球打ちは21年に続き3本目。プロ通算32本目の本塁打だが、バンテリンドームでは初アーチだ。これでセ6球団の本拠地で本塁打を放ったことになり「セ界制覇」にもなった。

試合前、「ホームランそろそろ打て」と声が飛んだ。今岡1軍打撃コーチだった。現役時代、球団歴代4位となる通算12本の先頭打者本塁打を放った達人に一振りで1発回答した。「試合前から今岡さんに言われていたので。打てるってイメージはなかったですけど」。それでも、21年に10本塁打を放った長打力を発揮。今岡コーチも「彼はいつもいいからね」と絶大な信頼を置いている。

これで今季自己最長の6試合連続安打。例年、スロースターターとの評価を受けるシーズン開幕直後に快音を響かせ続けている。打率3割2分9厘、23安打はいずれもチームトップ。「120打席くらい必要」と、1年間戦い抜くための基盤となる打撃スタイルを固める段階で、この数字だ。

前日22日は兵庫・淡路島の後輩村上のプロ初勝利を導く決勝の適時三塁打。今季すでに5本の三塁打を放っており、60年に長嶋茂雄が記録した月間6三塁打のセ・リーグ記録に迫る。23年は近本の長打からも目が離せない。【中野椋】

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