これが「新庄マジック」なのか? 4番で3試合連続無安打中だった日本ハム野村佑希内野手(22)が、今季初の1番起用で息を吹き返した。4回2死、ソフトバンク東浜の初球を逆方向の右翼席へ運んだ。チーム単独トップの4号ソロ。4月14日西武戦(エスコンフィールド)以来の1発に「なかなか打てなかったので、めちゃくちゃうれしかった」と声が弾んだ。

新庄監督はキャンプ中からこだわってきた「4番野村」を解除し、何故、1番で起用したのか。「(打順を)下げて気持ちを下げるより、打順を上げてテンションを上げさせた方がいいと思って」と新庄監督。昨夜、湯船につかっている間は7番起用を想定していたが、この日の朝、球場入りして駐車場のドアを開けた瞬間「やっぱ1番にしよう。『特攻隊長で行きなさい』」と心変わり。「野球選手は技術より気持ちが80%以上だと思うから」。得意の「勘ピューター」で若き主砲を再生し「悩んでいる選手が吹っ切れた時が一番うれしい。明日(30日のオーダー)は犬の散歩をしながら考える」とご機嫌だ。

「最近ボールを見ている感じがあったので、ガンガン行こうと。ずっと試行錯誤していた中で、いいものが見つかった」と、不振脱出の手応えをつかんだ野村。久しぶりのヒーローインタビューでは「見ていて下さい、開花します」と照れ笑いで“打撃満開”を宣言した。【中島宙恵】

○…上川畑が先制の2点適時打を放った。打率も1割台と低迷しただけに、「過ぎたことは仕方ないと思って、先のことを変えていきたいと思っていた。集中して打席に立てた」と振り返った。新庄監督が信頼して起用を続けてきた期待に応えた。「信頼してもらっている分、結果を残さないといけない。チームの主軸、代表になれるショートになれるように頑張っていきたい」と語った。