オリックスが今季初のサヨナラ勝ちで、首位タイに浮上した。

歓喜のステージの中心にいたのは、若月健矢捕手(27)。「しゃかりきコロンブスでした」。チャンス登場曲に使う「光GENJI」の「パラダイス銀河」が流れる中でお立ち台へ。何度も聞いた歌詞にからめながら、無我夢中のスイングに汗を拭った。

3-3で迎えた延長11回。2死から後輩2人がつないでくれたチャンスだった。「紅林と宜保ちゃんがつないでくれたので、ここは絶対に決めるぞという気持ちで打席に入りました」。スライダーを無我夢中で振り抜いた。「食らいついていきました。何打ったか本当に覚えていないぐらい」。大きな打球が右翼に飛ぶとベンチはフィーバー。両手を上げて喜んだ若月も、頓宮に抱えられながら大歓声を浴びた。

チームメートはともに戦い、高め合える存在。今季からともにプレーする森は、同い年で高校時代から知っている。「本当に友哉は素晴らしい選手。一緒にできることは楽しいですね。毎日刺激もありますし」。若月が打撃についてたずねれば、反対に森はブロッキングなど捕手の技術について質問。「下半身の使い方を聞いたり。逆に友哉が守備のこととか聞いてきてくれるので。高め合いながらやれているかなと思います」。同じポジションを争う間柄でも、互いの良さを吸収できる理想の関係だ。

接戦を制してカード勝ち越し、25日以来、5日ぶりに首位へと躍り出た。「いい当たりが出たので、これからも引き続き打っていけるように頑張りたい」。しゃかりきの一打でファンを魅了し、ノリノリのまま5月に向かう。【磯綾乃】

○…前日4月29日ロッテ戦で今季初欠場となった森が「4番DH」で先発復帰した。4打数無安打も積極的な打撃を見せた。今カード初戦の28日には、ロッテ佐々木朗の165キロ直球を右足に受けていた。この日の試合前練習では佐々木朗が森のもとに駆け寄り頭を下げ、笑顔で会話する場面もあった。

▽オリックス山崎颯(2イニング無失点。自己最速タイの160キロ計測)「感覚的には出ていないと思います(笑い)。真っすぐ自体は上がってきている。(小木田は)世代の代表なので。自分のことのようにうれしいです」

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