<東都大学野球:青学大1-0中大>◇第3週第1日◇1日◇ZOZOマリンスタジアム

青学大・下村海翔投手は初完封勝利を決めると、マウンド上で大きくガッツポーズした。

「ゾーンの中で勝負することだけを考えて投げました」と丁寧に投げ込み、初谷健心内野手(2年=関東第一)の右越えソロで挙げた1点を守り抜いた。

「自信」が今年の下村だ。ドラフトイヤーの新年を迎え、迷いが生まれた。「体のサイズも小さい。同期の常広(羽也斗)が注目されている。自分は置いていかれている」。そんな時、中学時代所属した宝塚ボーイズの奥村幸治監督にかけられた言葉に目が覚めた。「自分にしかないものに自信をもってやればいい」。周りの目ばかりを意識して自信を失っていた。「自分らしく戦えばいいんだ」。球速にこだわらず、制球良く投げるのが自分らしさと見つめ直し、23年を踏み出した。

諦めない強さも後押しする。20年12月10日に右肘のクリーニング手術と軟骨再生手術を受け、約1年のリハビリ期間は走り込みなど、1人で追い込み練習に励んだ。「自分にははい上がる強さもある」。心の強さも胸に「勝ちを重ねられるように頑張ります」と、首位・青学大を06年春以来の優勝へと導く覚悟だ。【保坂淑子】