日本ハム万波中正外野手(23)が、西武戦(ベルーナドーム)で値千金の決勝弾を放った。

7回1死、西武松本から左中間席へ推定135メートルの特大決勝5号ソロ。完封リレーの投手陣を援護した。5試合ぶりのアーチでチームを勝利に導いた「マンチュウ」が、5日からの楽天3連戦(エスコンフィールド)でも大暴れする。

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万波が親愛なる“教授”に先発勝利をプレゼントした。7回1死、西武松本の145キロの直球を完璧に捉えた。特大の弧を描き、左中間スタンドへ吸い込まれた。

「北山さんに勝ちを付けたいと思っていた」

普段からトレーニングの相談も、教授の愛称を持つ北山亘基にしている。開幕前の3月20日には、一緒に札幌市内の真駒内滝野霊園へ。万波の運転でドライブを楽しみながら、同園で有名なモアイ像も鑑賞。公私で慕う北山が無安打投球を続けていたのは「代わった時に気付きました」。快挙には気がつかなくても、0-0の緊迫した状況はもちろん知っていた。北山に白星を-。そんな思いが打球には乗った。

大きな1発となりそうだ。前日3日までの5試合で19打数2安打と不振が続いていた。3日は三振で最後の打者に。「勝敗を左右するようなタイミングでの打席が多いなと感じますし、打たなかった時は責任感みたいなものをすごく感じる」。中軸を任される意味をかみしめる日々の中で、飛び出した決勝アーチ。クリーンアップから外さない新庄監督も「万波君、ナイスホームランね」とたたえ、万波も「格別な勝利だと思います」と満面の笑みを浮かべた。

5日からはエスコンフィールドに戻って楽天3連戦に臨む。今季2度対戦して3三振と苦戦している田中将が相手。「僕自身、打つのに苦労しているので、なんとか今までの凡退を生かしてじゃないですけど、挽回できるように頑張りたいなと思います」。試合後は緑色のスーツとリュックの「みどりの日コーデ」に装いを替えて球場を後にした。黄金週間ラスト3連戦もアーチ連発で北海道を沸かせる。【石井翔太】

▽日本ハム・マルティネス(北山を先発初勝利に導く好リード)「(日本語で)キタヤマ、スバラシイ、マッスグ。スゴイ。ツヨイ。ポーン! ヘンカ(変化球)モ、カーブ、スライダー、チェンジアップ。イイヨ、ゼンブ、スバラシイ」

▽日本ハム建山投手コーチ(先発転向で今季初勝利の北山に)「期待以上の投球をしてくれました。リリーフでは力んでボールが浮くことが多かった。先発で力が抜けるとストライク先行できるのがよかった」

▽日本ハム田中正(9回2死から被安打も、無失点リレーで締めて3セーブ目)「あ、(継投で)ノーノーだったんですか!? マジっすか。あ、そうなんすか。しっかりゼロで終わることだけ考えました」