球界最年長のヤクルト石川雅規投手(43)が甲子園で躍動した。プロ野球タイ記録となる1年目からの22年連続白星を懸けた今季3度目の先発マウンド。134キロの直球や110キロのカーブと、緩急を付けた持ち前の技巧派投球で阪神打線を手玉にとり、5回1/3を投げ4安打無失点と完璧なマウンドだった。

3、4回は先頭打者に出塁を許しても落ち着き払っていた。4回無死一塁で4番大山を118キロのカットボールで捕邪飛に。5番佐藤輝は123キロのスライダーで中飛。6番井上は122キロスライダーで左飛に打ち取った。

「毎年1つ1つの積み重ねなので、22年というよりも1つ目の勝利が欲しいというところですね」。登板前、そう話していた石川。球界最年長になっても「1勝の重み」は変わらないといい「1個目がないと次もない。1つ目が早く欲しいというのが毎年変わらないところですね」と語っていた。

連続シーズン勝利記録は85~07年工藤(横浜)ら3人の23年だが、1年目からは56~77年米田(近鉄)の22年が最長。大卒としては21年に新記録を達成済みで、石川の軌跡はまだまだ止まらない。【三須一紀】