阪神が控えの二遊間組の活躍で、泥臭く決勝点をもぎ取った。

1-1の8回1死二、三塁。代打糸原が遊撃右にゴロを転がすと、代走の三塁走者小幡は頭から飛び込んで間一髪ホームを掃いた。バットにボールが当たった瞬間にスタートを切る「当たりゴー」のサインだったようで、「とっさに頭から行きました。キャンプの成果が出て、ホームベースを触る位置も良かった」としてやったり。「糸さんが、『ミスターコト起こし』がやってくれました」と先輩に頭を下げた。

遊撃手の野選となり、今季初打点が勝利打点になった糸原も「小幡がセーフになってくれた」と感謝。「三振だけはダメだったので、本当にバットに当てることだけを考えていた」と食らいついた。岡田監督も「何とかなりそうやったもんな、前にボール飛ばしたら。(ゴロが)正面じゃなかったからな。遊撃手が一番投げにくいところに飛んだのもよかったんやろな」と、2人の働きをほめた。

代打糸原、代走小幡の2人でお立ち台。糸原は「小幡も途中から出ている選手なんで、2人でお立ち台に立てて最高です!」と叫んだ。来たるべき出番に備えた集中力が、大きな白星を呼び込んだ。【石橋隆雄】

◆小幡の神走塁 8回表阪神1死一塁。木浪の三塁への当たりを三塁村上がはじく。カバーしようとした遊撃長岡も逆を突かれ、ボールは左翼へ。その動きを見た一塁走者小幡は二塁を蹴り、一気に三塁を陥れる。次打者糸原の遊ゴロ野選で勝ち越しの生還。