静岡、岐阜、三重のリーグ優勝校が全日本大学選手権(6月5日開幕、東京ドーム・神宮)の代表1枠を決める三つどもえ戦が行われ、1勝1敗に終わった。21日にもう1度、三つどもえで決着をつける。

皇学館大が踏みとどまった。0勝1敗で迎えた東海大静岡戦。敗れれば全国への道が断たれる試合で投手戦をものにした。

「伊勢の怪物」村田怜音内野手(4年=相可)は大一番で投手を援護できなかった。1試合目は4打数無安打。2試合目も3打数無安打1四球。計4三振と、完全にタイミングを狂わされた。中途半端なスイングも目立った。

「すごく楽しみにしていた。昨日の練習では最近一番というくらい調子が良かったんですが…。明らかなボール球を振ってしまったり、何かの食い違いでおかしくなった。意識していなくても、焦りとかがあったのかもしれません」。196センチ、110キロの巨体を少し丸めて反省。強い日差しを2試合浴び続け、顔は真っ赤に日焼けしていた。

6球団のスカウトが視察した。阪神熊野スカウトは「こんなに悪い状態は見たことがない」と言うほどの“重症”だった。中日清水スカウトは「いいところを何度も見ていますから」と問題視せず。公式戦19発を誇るロマン砲への興味は変わらない。

仕切り直しにより、2日で4試合になる過酷日程は、投手への負担が大きい。佐野瑠勇(りゅうゆう)投手(3年=神戸)が価値ある完封劇を演じたが、連投は厳しい。右腕は「全国に行ければ大学野球生活の景色が変わる。新しい景色を見たいです。もうやるしかない。明日も投げます」と、8年ぶり2度目の全国舞台へ気合たっぷり。

チームを救った後輩投手の熱い思いを受け、村田は「打線が援護しないといけない。今から学校で気が済むまで練習します」と本領発揮を約束した。【柏原誠】