梅ちゃん復活打!阪神梅野隆太郎捕手(31)が、2シーズンぶりの3打点で今季最多貯金11の立役者となった。1点リードの4回、開幕戦以来51日ぶりのタイムリーヒットとなる中前適時打。1点差に迫られた8回には2点打で広島を突き放した。デーゲーム6連勝で3カード連続勝ち越しに成功。40試合終了時点で25勝14敗1分けは日本一となった85年、リーグ制覇した03年と同じ勝敗数だ。吉兆の数字を通過点に、このまま首位を突っ走る。

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ライトスタンドから球場全体に「梅野コール」が広がった。9回の守りに就いた梅野は、マスクを外して応えてみせた。「やっと帰ってきたな、と。地響きのようなすごいコールに感謝しています」。今季甲子園初のヒーローインタビューで、今季甲子園最多4万2600人の観衆に感謝を込めて頭を下げた。聖地がまた沸きに沸いた。

1点リードの4回2死一、二塁、アンダーソンから中前適時打。開幕戦以来51日ぶりの適時打をかっ飛ばした。再び1点差となった8回2死二、三塁では島内の初球155キロを右前2点打。「コンタクトする、そこだけを考えていた」。しぶとい一打で広島を突き放した。

4月29日のヤクルト戦前。神宮外苑のコブシ球場でアップをしてると、隣のグラウンドで試合をする野球少年たちが駆け寄ってきた。「頑張ってる?」「背番号2、俺と一緒やね」。優しいまなざしで声をかけると少年野球チーム「深川ジャイアンツ」の子どもたちが目を輝かせる。「思い出になればと思ってね」。ペンを走らせ、サインも手渡した。

岡田監督に正捕手と明言されながら、坂本との併用は続く。打率1割台。「期待を裏切るようなことっていうか、自分自身、うまいこといかないっていうのが続いているし…」。簡単には笑顔になれない状況だが、ファンを喜ばせるプロ野球選手の使命を忘れない男の2安打に勇気、元気をもらった人がいるはずだ。

12打席ぶりの安打で上昇のきっかけはつかんだ。岡田監督も「センターから右にヒットが出るようになったら良くなってくる。これから梅野がどんどん上がってくるやろな」と予告した。40試合終了時点で25勝14敗1分けは日本一となった85年、リーグ制覇した03年と同じ勝敗数で吉兆だ。お立ち台で「あさっても勝つば~い!」と締めた背番号2が、首位を走る虎を加速させる。【中野椋】

▼阪神はデーゲーム6連勝。5月3日中日戦から連勝が続いている。今季の阪神はデーゲームに強く、10勝2敗1分けで勝率8割3分3厘。ナイトゲームの15勝12敗、勝率5割5分6厘を大きく上回る勝率で、8つの貯金を生み出している。

▼阪神は今季40試合目を消化し、25勝14敗1分けで首位をキープ。過去に全く同じ勝敗数だったのは52、85、03年の3度。うち85、03年はリーグ優勝しており、吉兆な数字だ。

○…5番佐藤輝が今季10度目マルチ&好守でもり立てた。4回に左前打を放つと、8回に1死一塁から再び逆方向の左翼へ二塁打。1死二、三塁として梅野のダメ押し打をお膳立てした。守っても8回1死一塁から堂林のイレギュラーした打球を難なく処理して併殺。「ゲッツーになったので大きかった」と満足げだった。

○…「6番右翼」で2試合連続スタメン出場の森下は、3打数無安打に倒れた。8回1死二、三塁で空振り三振。「切り替えてやっていきたい」と前を向いた。前日20日の広島戦ではプロ初サヨナラ打。多くの祝福&激励メッセージが届き「(連絡は)100件くらいは来た。こんなに見てくれているんだってところがうれしかったです」と感謝した。次の1本へのエネルギーにしてみせる。

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