セ界首位を走る阪神の連勝が9で止まった。「日本生命セ・パ交流戦」の西武戦は打線が振るわず4度目の完封負け。勝てば16年ぶりの10連勝で球団月間新記録の20勝に到達したが、小休止となった。岡田彰布監督(65)は「そら(いつかは)負けるよ。ここまでができ過ぎよ」と余裕の1敗モード。敗れた2位DeNAとの6ゲーム差は変わらず、月を替えて再進撃する。

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連勝は9でストップしたが、岡田監督は「そら(いつかは)負けるよ」と笑った。12日ぶりの敗戦は今季4度目の完封負け。残塁は11で、8イニングで塁上をにぎわせた。「まあ、誰かが(適時打を)1本打って、どこかで出たらいうゲームやから」とあと1本が出なかったと冷静に話した。

初回に先頭近本が二塁打で出て、この日も先制点ゲットかと思わせた。だが後続の3人が凡退。1年7カ月ぶり先発の本田に4回を0封されると、2番手森脇以下の1イニング継投を打ちあぐねた。「そろそろかなあと思ったら5回から(投手が)ひとりずつやからな」。映像などを見て対策してきたが、左右やタイプの違う投手に対応するのは難しかった。得点圏に6度進めたが要所を締められ、あと1本が出なかった。

左の大砲候補も不発だった。高卒2年目の前川を2試合連続DHで起用したが。4回と6回の好機でいずれも落ちる球に空振り三振。だが、責めることはなかった。「そらやっぱり、ボール球を振るわけやからしょうがないわ。1軍の投手に初めてやから。みんなが踏む第1歩やんか。別に最初から打てなんか言うてない」。デビュー2戦目は3打席3三振でプロ初安打はまたお預けとなったが、多くが通る道と位置づけた。

勝てば前回チームを率いた07年以来16年ぶりの10連勝で、球団新の月間最多20勝だったが小休止。だが、5月は19勝5敗で14個もの貯金をつくった。この日敗れた2位DeNAとの6差は変わらず、貯金17でセ界首位を独走している。「できすぎや思うよ。楽な戦いはできている。(勝率)5割くらいやったら前川(1軍に)上げてないで」。痛くもかゆくもない“余裕の1敗”モードだった。

今季は12球団で唯一、3連敗が1度もない。「(あと)2回までは負けられるやろう。まだ猶予ある。でもまあ、明日は勝たなあかんわな」。2連敗までなら大丈夫と言わんばかりのコメントを残して帰りのバスに乗り込んだ。それだけ手応えのあるチームがつくれている。動じることなく、まずは交流戦カード勝ち越し発進を決めにいく。【石橋隆雄】

▼阪神は5月19勝5敗で月間新の勝利数更新はならなかった。過去に2度記録した19勝(64年8月、68年8月)とタイで終了した。

▼連勝は9でストップ。球団で過去10度あった2桁連勝に届かなかった。直近の2桁連勝は、前回の岡田監督時代の07年8月30日広島戦~9月9日巨人戦の10連勝。最長は14連勝で、1リーグ時代の37年と46年の計2度。2リーグ分立後最長は11連勝で、63、72、76、82年の4度ある。

▼月間貯金は14。これは球団3位で、68年8月の17、46年7月の15に次ぐ。