日本ハム加藤豪将内野手(28)がNPBの歴史に名を刻んだ。4回に右翼へ一時同点に追い付く4号ソロを放って、デビューから出場7試合連続安打をマーク。18年に同僚の清宮幸太郎が打ち立てた、ドラフト制後の新人選手のデビュー戦からの連続試合安打記録に並んだ。これで「日本生命セ・パ交流戦」は4本塁打で単独キングに浮上。チームは悔しいサヨナラ負けで喜びは半減も、逆輸入ルーキーの勢いは加速中だ。

     ◇     ◇     ◇

大好きな清宮に並んだ加藤豪は試合後に「記録はうれしいですね」と言ったが、歯切れは悪かった。頭の中は今季6度目のサヨナラ負けでいっぱい。「自分もいい場面で打てなかったので、そっちの方を考えている。記録はいいですけど、なんか個人的な記録って全然うれしくない」。歯がゆい気持ちがあふれた。

18年清宮の記録と肩を並べたアーチは、米国で打ち崩せなかった相手から放った。1点を追う4回の第2打席。「グリフィンはアメリカでたぶん4打席ぐらい対戦していて、ようやく(米国時代から通じて)6打席目にフェア(ゾーン)に打った。ずっと向こうが勝っていたので、僕は1発が打てて良かったです」と右翼へ4号ソロを運んだ。

マイナー時代に対戦したグリフィンはリリーバーだった。「中継ぎで155、6キロぐらい投げていて、もうやられっぱなしだった」。1回は当時のイメージと違う投球に戸惑ったが、次の打席で対応。その後の打席で凡退後にマウンド付近を通ると「(グリフィンとは)仲がいいので、なんかやっと打ったねみたいな感じで『ナイスヒット』って」と祝福されたという。

そんな米国時代に培った経験値が好結果を支える。「マイナーとかメジャーでも毎日違う選手が上がったり下がったりするので、打席に立ってスカウティングし始める。1球1球すごい大事にしないといけない」。初対戦の投手との勝負が続く中でデビューから7試合連続安打は磨いてきた対応力のたまものだ。

交流戦の本塁打ランキングもトップとなったが、まず次に目指すのは清宮超え。だが、加藤豪におごりはない。「自分が日本の野球を研究して勉強して、日本の野球も僕を研究しながら勉強している。ここで油断とかしちゃうと(相手の研究も)どんどんついてきちゃう。できるだけ前に前に。頭の作戦で勝ちたい」。次の試合も勝つためにできる準備を尽くし、今度はチームの勝利で記録を彩る。【木下大輔】

【関連記事】日本ハムニュース一覧はこちら―>