東都大学野球の強豪、亜大は14日、生田勉監督(56)の勇退を発表した。

「今年の春以降、体調が優れず、精神的にも体力的にも限界に近い状態で監督を続けて参りました。熟考した結果、春季リーグ戦終了をもって退任するのが野球部と部員にとって最善だと考え、監督退任を決意しました」とコメントした。

生田監督は柳ケ浦から亜大に進学し、捕手として活躍。卒業後はNTT東京でプレー。92年から母校亜大のコーチを経て、04年監督に就任した。東都大学野球ではリーグ記録となる6連覇を含む11回の優勝。全日本大学野球選手権1回、明治神宮大会では3回の優勝を達成。16年には大学日本代表のコーチ、18年には監督に就任し、ハーレムベースボールウイーク(オランダ)で24年ぶりの優勝。19年の日米大学野球選手権大会で3大会ぶり19回目の優勝に導いた。巨人松田、ソフトバンク東浜、嶺井、DeNA山崎、広島九里ら、多くのプロ野球選手を育てあげた。

厳しくとも愛情あふれる指導で知られ、全力疾走とバントを徹底した機動力野球を掲げた。とくに投手育成には定評があり「亜細亜ボール」と言われる伝統のツーシームも生み出した。近年では、野球の普及にも力を入れ、8月には釧路市での「タンチョウリーグ」、2~3月には鹿児島での「おいどんカップ」を立ち上げ野球界の発展にも尽力した。

春季リーグ戦はドラフト候補にあがる草加勝投手(4年=創志学園)を擁し、3位に。ベストナインにも3選手が受賞するなど、最後まで選手とともに戦い続けた。