ヤクルト小川泰弘投手(33)が、1-1の7回1死二塁、中日石橋康太にプロ初の2ラン本塁打を浴び、これが決勝点となった。打たれたのは3打席目で、初球だった。捕手内山壮真は外角に構えたが、141キロの直球が真ん中低めに入った。2回の第1打席は初球の144キロをファウル。2球目のチェンジアップを中堅フライとしていた。5回の第2打席は、初球の141キロ直球をファウルし、2球目の直球を中堅フライとした。いずれも、いい当たりだった。

配球は結果論となりがちだが、小川と投手出身の高津監督は試合後、決勝アーチを浴びた打席について分析を行った。

小川 初球の入り、もう少し慎重に入るべきだったと反省です。

石橋は、前の2打席で、いずれも初球の直球を打ちにきていた(結果はファウル)。球種の選択は妥当だったのか。

小川 キャッチャーを信頼して投げていますし。たら、ればになってしまう。(コースに)投げきれなかったというところで反省ですね。

直球という球種選択というより、真ん中低めに入った制球ミスを悔いた。

小川 外から真ん中の低めが(石橋の)ツボだと思う。そこに入ってしまった。インコースの入りでも良かったと思う。

内角を攻めていれば、前の2打席のようにファウルが取れていたかもしれないという見解を示した。

高津監督は配球について「いろんな考え方があるので、ちょっと難しいですけど」と前置きしてから、言葉を選んだ。

高津監督 1死二塁なので、一塁が空いてるだとか、初球から振ってくるバッターだとか、その前の2打席の当たりを考えると、いろいろ別の入り方もあったのかなと思いますけど。

同点の7回1死二塁。状況的に、たとえ四球を与えて塁を詰めてでも、1点を与えたくない場面だった。石橋は前の2打席で初球を振っていた。しかも、中堅フライではあったが、両方ともいい当たりだった。これらを総合して考えると、ボールくさい変化球で入るという手が浮上してくる。

配球に、数学のような絶対的な正解はない。だが、1球が勝敗を分けたのも事実だった。この試合、正捕手の中村悠平は、右手親指の腫れで欠場していた。

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