阪神のドラフト1位森下翔太外野手(22)と前川右京外野手(20)のフレッシュな「Z世代」コンビが、電光石火の先制劇を演出した。初回、1番森下が中日高橋宏の152キロ直球を捉え、左翼線への二塁打で出塁。中野の犠打を挟み、1死三塁から「しっかり振り切れたので、抜けてくれました」と3番前川が154キロ直球を引っ張り、打球は前進守備の一、二塁間を突破。出場11試合、31打席ぶりの適時打となり、わずか8球で先制点を奪取した。

この日は今季4度目の生え抜き和製オーダーが組まれた。下半身のコンディション不良でノイジーが2試合連続でベンチ外となり、1番から9番まで日本人選手がズラリ。指揮官は前日14日に「戦力として使えるっていうメドが立った」と話し、1番森下、3番前川、好調小野寺をプロ初の5番に抜てき。小野寺は2打数無安打だったが、1点を追う4回1死一、三塁から一時同点となる遊撃へのボテボテの内野ゴロを放ち、最低限の仕事を果たした。

不動のリードオフマン近本が故障離脱している中、森下は6試合連続で「1番」で出場。初回のヒットで自己最長を更新する5試合連続安打とした。前川も8回1死から得点につながる四球を選ぶなど、仕事を全うした。試合は延長戦の末に力尽く悔しい結末が待っていたが、敗戦の中でフレッシュマンの奮闘が光った。若く勢いのあるバットマン2人の打棒で、16日はスカッと勝利を収めたい。【古財稜明】

■二ゴロが強烈イレギュラー

7番梅野が秘打で1点をもぎ取った。2-2で同点の4回、2死一、二塁。中日高橋宏の外角低め変化球に食らいつき、全力疾走。打球は二塁手村松の手前で跳ね上がり、頭上を越えて中前に転がった。梅野は「みんながつないでくれた勝ち越しチャンスだったので、『事』が起こってくれたらと思い必死に打ちにいきました」。全力プレーが21試合ぶりの適時打につながった。