ソフトバンクが屈辱の9連敗を喫してしまった。球団初の3カード連続の3タテを食らい、王ダイエー時代の96年9月以来、27年ぶりの9連敗。ソフトバンクとなってからは初めてのこととなってしまった。

負の連鎖に終わりは見えなかった。首位オリックスとの第3ラウンド。藤本監督は打線を大幅に入れ替えるテコ入れを図ったが、3年目右腕の先発山下の前に打線は完全に沈黙してしまった。1、2番には4月29日の日本ハム戦(エスコンフィールド)以来、三森、周東を起用。リードオフマンとしてけん引してきた中村晃を5番に据えたが、まったく機能しなかった。三森、周東は山下の前に計4三振。7回まで1度も出塁できなかった。ヒットは中村晃の2本のみ。主軸の近藤、柳田のバットからも快音は聞かれなかった。7回まで山下に2安打無得点に抑えられ、終わってみれば0封リレー。二塁すら踏むことができなかった。

打線の活性がなければ、ここまで未勝利の先発スチュワートも耐えきれない。3回までパーフェクト投球を見せたが6回、セデーニョに痛恨の5号3ランを被弾。投打がまったくかみ合うことなく黒星を喫した。

「山下君も最高のピッチングをしていたんで、何とか必死さは必要かと思いますね。もう9連敗は帰ってこない。連敗は連敗でしょうがない。後半戦もロッテ、オリックスと当たるので何とか目の色を変えて行かなくちゃいけない」と試合後の藤本監督も厳しい表情だった。

3年ぶりのV奪回を目指すチームは首位と5・5ゲーム差の3位でシーズンをターン。過去、パ・リーグでは9連敗を喫したチームが優勝を手にしたことがないだけに、何とも不気味な領域に足を踏み入れてしまった。【佐竹英治】

○…先発スチュワートが痛恨の1球を悔やんだ。3回まで完全投球で5回まで無失点だったが、6回1死一、二塁からセデーニョに直球を右翼テラス席に運ばれた。「調子は良かったし、良いボールも多かったと思う。でも、6回は先頭を出し、四球でランナーをためてホームランという、最悪の点の取られ方をしてしまった。良い部分もあっただけに悔しい」。自己最長の7回を投げ、5安打3失点、7奪三振と好投も2敗目。チームの連敗を止められず、がっくりと肩を落とした。

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