マウンドを降りる阪神才木浩人投手(24)には、球場の虎党から温かい拍手が送られた。8回途中まで8安打を浴びながら2失点。117球を投げ7三振を奪った。粘投を見せながら8回1死一、三塁を招いた時点で降板となったが、救援陣がきっちり火消しに成功。真っ先にベンチを飛び出し、大きな拍手で出迎えた。仲間のサポートも受けながら、6月11日日本ハム戦(エスコンフィールド)以来、約2カ月ぶりの6勝目。右腕は感謝しきりだ。

「梅野さんとか中継ぎの方に助けてもらえた。次からは任せられたイニングを最後まで投げ切れるようにできたら」

前回7月27日の巨人戦で自己ワーストとなる7失点(自責点3)を喫し、翌28日に出場選手登録を抹消。約2週間の2軍調整を経たマウンドだった。岡田監督はブルペン投球で再調整させる方針を立てていたが、「ブルペンとバッターがいる試合の雰囲気は全然違う」と3日の2軍中日戦(バンテリンドーム)に志願登板。変化球の精度などを重点的に確かめた。自らテーマを課しながらも3回を6奪三振完全投球。「確かめたいことはできた」と手応えをつかみ、中6日で臨んだ一戦だった。

この日、投球の5割以上を占めた直球。指揮官は「(8回を)投げきって欲しかったけどな」としながらも「いい時に広島の甲子園でな、真っすぐばかりいっとった時あったやろ。球が走ってる時ね。今日もそういう感じはあったよなあ」と評価した。調整を経た威力抜群の1球が、伝統の一戦3連勝に一役買った。【波部俊之介】

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