新潟アルビレックスBCが福島レッドホープスに4-2で勝った。ビジターの前日18日は5-9で敗れていたが、同じ相手に連敗は食わなかった。1-0の5回2死満塁で伊藤琉偉遊撃手(20)が走者一掃の中越え三塁打。「打った瞬間は『越えるかな』と思った。最高でした」と福島を突き放した。

三塁に伊藤が滑り込むと土煙が豪快に舞い上がった。鋭い一撃は追いかける相手中堅手の頭をあっという間に越えた。「しっかり走者をかえすことを考えた」という打撃は、塁を埋めた3走者全員を本塁に迎え入れた。東農大を2年で中退し、5月から新潟で練習生からスタートしていた苦労人のここ一番での快打だった。

橋上秀樹監督(57)は「BCリーグで一番のショートだと思う。練習と試合を重ね、打球も飛ぶようになった。しかも打球は強い」と期待している。指揮官は9月9日からのプレーオフ、地区チャンピオンシップ(CS)を視野に入れ「もう1回見直すポジションがいくつかある。プレーオフの第1戦に誰を先発にするかも考えている最中」と話しているだけに、20歳の若武者の勝負強さは貴重な戦力になりそうだ。伊藤も「プレーオフは大事。それまでに(調子を)上げ、勝利に貢献できる打撃、守備、走塁をしたい」と話していた。【涌井幹雄】

 

◆地区CS 地区の優勝チームと2位チームが対戦。2戦先勝で優勝チームには1勝のアドバンテージがあり、引き分け以上でリーグCS進出が決まる。北地区は信濃グランセローズが優勝、新潟の2位が確定している。地区CSは9月9日長野オリンピックスタジアム、10日中野市営野球場でともに午後1時開始で行われる。