巨人浅野翔吾外野手(18)が新風を吹き込んだ。広島戦に「1番右翼」で先発。1回に左前打でチャンスメークし、先制点を演出すると、5回にも右前打を放ち、プロ入り初のマルチ安打をマークした。球団の高卒新人の1番でのスタメンは1959年の王貞治以来、64年ぶり。岐阜城のお膝元、長良川球場で“おっちゃんルーキー”が球団史に残る大抜てきに応え、チームの連敗を2で止めた。
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城を照らす月明かりを浴びた若武者が、突破口を切り開いた。1番で初スタメンの浅野が、初回先頭の打席、カウント1-2と追い込まれてから、低めのツーシームを左前へ運んだ。続く北村拓の内野安打と相手の守備失策で無死満塁とし、4番坂本が先制犠飛。さらに1死一、三塁で丸が再び犠飛で続いた。「自分の一番好きな場所が1番バッター。多く打てますし、一番注目してもらえる打席だから」と高松商時代も輝いた位置で、堂々たる姿で先陣を切った。
舞台は織田信長が天下統一の拠点にした岐阜城のお膝元、長良川球場。試合前の練習中に「1番」起用を告げられた。球団史上、高卒1年目の1番は59年王貞治以来64年ぶり。5回の第3打席では右前へ運び、プロ初の複数安打をマークした。気温は33度にのぼる野外での地方球場にも「最近まで高校野球をしていたので、その方がやりやすさというか、ドームとかよりも落ち着けた」と意に介さない。チームで誰よりも若い力を発揮した。
難攻不落と呼ばれる岐阜城は、実は何度も陥落した歴史がある。「奪回」を掲げ挑んだ巨人。前夜の敗北で今季11度目の借金生活を強いられた。4位に甘んじる中で、原監督は「スピードもあるし、唯一ないのは経験値という部分ですから。そこは我々がしっかり準備をさせて送り出すという、それですね」。勝つときもあれば負けるときもある。最後に勝つために、送り込んだ新布陣。連敗を2で食い止め、8月を白星で締めくくった。
右翼の守備位置から左翼方向に臨む岐阜城と、その横で光る「スーパーブルームーン」に目を向けた。「少ない出場機会でものにしないと定着できない。今日みたなチャンスをどれだけ生かせるか」。3位DeNAと2ゲーム差。9月は敵地・横浜での直接対決3連戦が始まる。その先頭には、浅野がいる。【栗田成芳】
▼高卒ルーキーの浅野が1番で先発出場。巨人の高卒新人が1番で出場は56年に4試合の坂崎、59年に1試合の王に次いで64年ぶりで、2リーグ制後では3人目。また、浅野は2安打。坂崎は4試合で1安打、王もノーヒットで、1番でマルチ安打した高卒新人は浅野が球団初だ。ちなみに他球団も含めると、19年6月22日オリックス戦の小園(広島)以来になる。



