ソフトバンクがクライマックスシリーズ(CS)出場権を争う同率2位の楽天との直接対決の初戦を制した。

初回に柳田悠岐外野手(34)と中村晃外野手(33)の適時打で2点先制。その後も効率よく追加点を重ねて6-0の快勝だ。試合前には藤本博史監督(59)が円陣に参加する異例の行動でチームを鼓舞。貯金は「2」となり再び単独2位へ浮上した。

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最終打者、浅村のバットが空を切った瞬間も藤本監督は表情を緩めなかった。小さくうなずき、首脳陣や選手、スタッフらとグータッチを交わした。2位タイで並んでいた楽天との直接対決。まずは初戦を白星で飾った。指揮官は「まず今日1つ勝ったのはすごく大きい」と冷静に振り返った。

試合前に自ら円陣に加わるという異例の行動に出た。藤本監督は「残り4試合。一戦必勝で悔いのないようにやろう」とナインを鼓舞。楽天には8勝14敗と相性が悪かっただけに「初回からバントを入れていくよ、と。どうしても楽天さんには負け越しているし、6回までにリードをされているケースが多い。先に1点を取って、リードして終盤戦に入りたかった」。執念采配を予告していた。

指揮官のゲキにナインが応えた。「軽度の左ハムストリングス肉離れ」から3試合ぶりにスタメン復帰した周東が1回先頭で右前打。2番川瀬が1球で犠打を決め、1死二塁でキャプテン柳田が決勝の左前適時打を放った。「とにかく大事な一戦で大事な先制点を取ることができて良かった」。なお2死三塁でも中村晃が中前適時打。「ツーアウトだったので思い切って」。2回は内野ゴロ間、6回は押し出し四球、7回は相手のミスに乗じて追加点を奪った。

就任以来、理想としてきた「泥臭い1点」を重ねて快勝。「もともとこういう野球がしたかった。この大事な試合でできたのはすごく大きいんじゃないかなと思います」。3位に浮上したロッテとは0・5差で変わらないが、4位に転落した楽天とは1差。再び単独2位へ躍り出た。

本拠地最終戦となる3日も楽天をたたけば、CS出場が近づく。藤本監督は「残り3試合、全部取るつもりでいきます」と語気を強めた。【只松憲】

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