今秋のドラフト上位候補に挙がる専大・西舘昂汰投手(4年=筑陽学園)がNPB7球団のスカウトが視察する中、先発したが、5回2/3を投げ9安打6失点だった。

立ち上がりは力強い直球で5回まで無失点に抑えたが、1点リードで迎えた6回、球が浮き始めたところを先頭の拓大・竹花裕人内野手にスライダーを捉えられてソロ本塁打を被弾。マウンドでぼうぜんと立ち尽くした。斎藤正直監督(63)は「この1本で明らかに西舘の表情が変わった」と、その変化を見逃さず。動揺の見えたところを、拓大打線が畳みかけ、この回、一挙6失点。マウンドを降りた西舘は「カーブのキレ、変化球の精度がよくなかった」と振り返った。

それでも、スタンドで視察したスカウトの評価は変わらない。ヤクルトの小川淳司GMは「一番は馬力。真っすぐに力があり、ある程度コントロールができて投げ分けができている」。西武渡辺久信球団本部GMは「スケールが大きいし、真っすぐのコントロールがいい。評価は変わりようのない素晴らしい投手。上位の評価でしょうね」。ソフトバンク福山龍太郎アマスカウトチーフは「高校から見ているがボリュームアップし、素材感が上回る選手。これだけ好投手が多い年で、どこも即戦力が欲しい。高い順位で挙がるんじゃないかな」と、いずれも高く評価した。

9日は悪天候が予想されるため、すでに中止が発表された。第2日は10日。斎藤監督は中1日での先発を示唆し「西舘は今まで3戦目の方がいい投球をする。明後日が楽しみです」と、エースの復調に期待した。