ロッテがレギュラーシーズン最終戦となった楽天とのクライマックスシリーズ(CS)出場権争い直接対決に勝ち、2位での進出を決めた。14日開幕のCSファーストステージは本拠地ZOZOマリン開催をつかみとった。

2回1死から山口航輝外野手(23)が三塁線を破る二塁打で出塁すると、岡大海外野手(32)が詰まりながらも右前に落とし先制適時打を放った。4回には安田尚憲内野手(24)が左翼ポール直撃の9号ソロで追加点。7回にも2死一、三塁から荻野の投手強襲適時打、8回には2死満塁から佐藤都志也捕手(25)の左中間2点適時二塁打でリードを広げた。先発の小島和哉投手(27)も7回無失点の好投で、自身2年ぶりの10勝目を挙げた。

一時は首位に立ち、貯金も最大13。1974年(昭49)以来49年ぶりの勝率1位での優勝も期待されたシーズンだっただけに、まさかの失速。大混戦となったCS争いだったが、なんとか2位を死守した。今季限りで引退するアナウンス担当の谷保恵美さんの“アンコール”も決まった。

新たに吉井理人監督(58)を迎えた今季だったが、10年ぶりに首位で交流戦に突入するなどスタートダッシュに成功した。1度は開幕投手に指名した石川歩投手(35)、昨季盗塁王の高部瑛斗外野手(25)の投打の主力に期待を寄せていた2人がシーズンを棒に振ったが、小島和哉投手(27)と西野勇士投手(32)がともに交流戦前に5勝。佐々木朗希投手(21)も5月5日のソフトバンク戦で右手中指に出来たマメの影響で約3週間離脱したものの4勝を挙げた。救援陣も益田直也投手(33)、坂本光士郎投手(29)、横山陸人投手(22)らに加え、新戦力の沢村拓一投手(35)、西村天裕投手(30)、ルイス・ペルドモ投手(30)らも活躍。投手力は抜群の安定感だった。

打線も支配下登録の野手32人中、1軍先発出場がなかったのはケガの高部を含み3人のみ。1軍登録即スタメンの選手が活躍するなど、選手の特徴や状態、投手との相性などを考慮し、相手に合わせて打線の特色を変える「カメレオン打線」は143試合で142通りの先発オーダーを組み、吉井監督は総力戦で結果を導いてきた。

だが、オールスター以降は27勝37敗1分けと大きく負け越した。要素は2つ。165キロ右腕・佐々木朗の離脱と、9月下旬の体調不良者続出は痛手だった。佐々木朗は7月25日に左脇腹肉離れで登録抹消。当初は指揮官が全治約2カ月と見通しを明かしていたが、想定より早く9月10日オリックス戦で48日ぶり復帰登板。だが、復帰3戦目の先発予定だった同24日に発熱などの体調不良で回避し抹消され、シーズン中の復帰は間に合わず。後半戦は2戦登板で0勝に終わった。

また、9月22日以降に体調不良による「特例2023」での抹消は11選手に及んだ。CS争い激化中の9月下旬に今季ワースト7連敗を喫したことも大きく響いた。それでも10月は5勝2敗と巻き返し、本拠地開催の2位でCS出場権をつかんだ。

▽ロッテ吉井監督(勝って2位でのCS進出に)「せっかくつかんだCSのチャンスなので、1番最後まで行けるように全力を尽くします」

▽ロッテ荻野(7回に投手強襲適時打)「みんなが必死につないでくれたチャンスの打席で、何とか追加点が取れてよかったです」

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