楽天の来季新監督は、今江敏晃打撃コーチ(40)が最有力となっていることが12日、分かった。3年契約最終年の石井一久監督(50)が今季限りで退任し、来季は球団取締役シニアディレクターに就任することがこの日、発表された。球団は内部昇格を軸に後任選びを進めており、今江コーチが筆頭に挙がっている。

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来年で創設20シーズン目を迎える楽天が、新たな局面を迎える。3年契約最終年で4位に終わった石井監督の退任が発表された。今季最終戦で勝てばCS出場だった10日のロッテ戦に完敗。任期満了とはいえ、自ら退任を申し出て責任を取った。来週から秋季練習も控えており、球団は後任選びを急ピッチで進めている。森井球団社長が12日、新監督に求める人物像を語った。

「すごい監督の方が来て、全て新しい色でやるパターンもあると思う。ただ、楽天イーグルスのやり方としては、2軍、育成、そこから1軍。風通しの良さを重視したい。全体的な年齢層が高まってきている中、若手をどう上げていくかが課題と思う。1軍、2軍の連携が必要。コミュニケーションを取れるのが一番、求められていること」

さらに「コーチも育てていきたい。そこから次期監督、次期ヘッドが出てくると一番いい」とも言った。外部招聘(しょうへい)の線も残しつつ、内部昇格最優先の思いをにじませた。

現有コーチ陣で最有力に挙がるのが、今江コーチだ。15年オフにロッテからFA移籍。星野仙一副会長に口説き落とされた。楽天ではケガもあり4シーズンで現役を終えることになったが、野球への真摯(しんし)な態度を球団は評価。引退後は指導者に転身し、20年から育成コーチや2軍コーチを歴任した。今季も当初は2軍打撃コーチだったが、5月末に1軍打撃コーチに配置転換された。

1軍の指導でも結果を出した。配置転換時点でリーグワーストの2割9厘だったチーム打率は、最終的に同3位の2割4分4厘まで上昇。シンプルで分かりやすい指示は選手にも好評だ。快活な性格で、誰ともコミュニケーションを取れるタイプ。指導者として育成、2軍、1軍、そして監督へ。森井社長が描く人物像に当てはまる。同社長は「(人選は)今週が勝負」と話しており、早ければ週明けにも新監督が決まりそうだ。

 

◆今江敏晃(いまえ・としあき)1983年(昭58)8月26日、京都府向日市生まれ。PL学園2年夏に甲子園出場。01年ドラフト3巡目でロッテ入団。05、10年日本シリーズMVP。ベストナイン1度、ゴールデングラブ賞4度。15年オフにFAで楽天移籍。19年引退。通算1704試合、1682安打、108本塁打、726打点、打率2割8分3厘。06年WBC日本代表。引退翌年から楽天でコーチ。今季は2軍打撃コーチで開幕し、5月から1軍を担当。180センチ、89キロ。右投げ右打ち。17~19年の登録名は「今江年晶」。

 

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