伝説の10・19に「バファローズ」と「ロッテ」が再戦する。この日にこのチーム名の両球団が対戦するのは1988年(昭63)以来、35年ぶりだ。

この年の近鉄バファローズはシーズン最終日の10月19日を2位で迎えた。首位西武とのゲーム差は0・5。逆転優勝は、川崎でのロッテ戦ダブルヘッダー連勝のみという厳しい条件だった。

第1試合は3-3の同点で迎えた9回、既に引退を決めていた代打の梨田昌孝が決勝タイムリーを放ち4-3で辛勝。優勝へ夢をつないだ。

第2試合は8回表にブライアントが勝ち越しソロを放ち、Vへ大きく前進。ところが救援の阿波野秀幸が8回裏、高沢秀昭に同点ソロを浴び、試合は振り出しに戻った。

9回裏ロッテの攻撃で、阿波野の二塁へのけん制でのタッチプレーを巡り、ロッテ有藤監督が9分間の猛抗議。当時は試合時間が4時間を過ぎると新しいイニングに入らない規定があったため、これが遠因となり試合は延長10回4-4の引き分け。近鉄は目前にしていた逆転優勝を逃した。

試合を中継していたテレビ朝日は、報道番組「ニュースステーション」の枠内でも急きょ放送を続けるなど、異例の対応を取った。当時のパ・リーグの中継では異例の視聴率38・6%を記録。「昭和プロ野球最後の名勝負」として、ファンに語り継がれている。

近鉄は04年限りでオリックス・ブルーウェーブと合併し消滅したが、新球団「オリックス・バファローズ」としてその名を残す。一方のロッテは92年に千葉へ移転し、愛称を「マリーンズ」と改めて現在に至る。

平成を経て令和となり、日本シリーズ出場を懸けてのリターンマッチだ。バファローズが昭和の敵討ちを遂げ、王手をかけるか。あるいはロッテが返り討ちを果たし、1勝をあげるのか。【記録室=高野勲】(22年3月のテレビ東京系「なんでもクイズスタジアム プロ野球王決定戦」準優勝)

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