優勝の可能性を残し、1敗もできない明大は先発のドラフト候補、蒔田稔投手(4年=九州学院)が6回無失点と試合をつくった。規定投球回数に達し、防御率0・74でトップに立った。2連勝で勝ち点を挙げれば優勝の可能性が残るため、田中武宏監督(62)は「『最後まで、可能性がある限り戦い抜こう』と選手に伝えていた」と明かした。今秋、初めて第1戦で先発した蒔田は「1戦目はエース(村田賢一)が投げるところで、1回は競争に負けた。ずっと土曜日に投げたいと思って練習してきたので、結果が出せてよかった」と話した。

2回1死、蒔田はライナーにグラブを出したがはじいてしまい、打球が左側頭部に当たった。それでもマウンドを降りずに、笑顔で続投。ベンチでは田中監督が「早く病院へ」と促したが、断固として拒否したという。試合後、蒔田は「痛くはないです。いい刺激でした」。田中監督は「頭は何があるか分からない。検査は受けてもらいます」と苦笑いだった。

打線は2回、先頭で今秋ドラフト候補の上田希由翔内野手(4年=愛知産大三河)がチーム初安打となる中前打で出塁。1死二、三塁となり、斉藤勇人外野手(4年=常総学院)の投前への高いバウンドのゴロが一塁手の失策を誘い、2点を先制。今秋3試合目のスタメン起用で、期待に応えた。

今秋途中からスタメンに定着した榊原七斗外野手(1年=報徳学園)が3打数3安打を放つなど、初の猛打賞。打線は9安打で5点を挙げた。榊原は「(打撃は)後ろにつなげること、しっかり守ることを意識しています」と話した。

▽法大・吉鶴翔瑛投手(2回に味方のミスも絡み2点を先制され)「自分が(安打で)つくったピンチだった。それでも踏ん張れるのが信頼される投手。できなくて悔しい」

【東京6大学野球】日程&結果&スコア速報!