立大が4年生の投打の活躍により、9-2で東大に先勝。今秋初勝利を挙げた。2番手の渡部太陽投手(4年=春日部共栄)がリーグ戦初勝利を挙げ、途中出場の安藤碧外野手(4年=明石商)が初本塁打を含む2発。投打がかみ合い、開幕からの連敗を8で止めた。

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ここぞで頼りになるのが4年生だ。今季初勝利に、立大のスタンドも一体となって喜んだ。整列を終えた選手たちは、スタンドのチームメートに向かってガッツポーズ。渡部は「なかなか結果が出なくて、苦しかった。4年生は責任を感じていた。この1勝は大きいです」とかみしめた。

先発はドラフト候補の池田陽佑投手(4年=智弁和歌山)。5回1死から失点し、無念の降板。1死二塁から渡部がマウンドへ。後続を打ち取り、追加点を許さなかった。6大学に憧れ、1浪して一般入試で立大に入学。野球は大学で区切りをつける。今春にリーグ戦デビューし10試合目で初勝利を挙げ「6大学で勝てるなんて夢にも思っていなかった。すごいうれしいです」と笑った。

打線でも、4年生が存在感を見せた。5回1死、代打安藤が内角低めの直球を捉えて右翼席へリーグ戦1号のソロ。8回にも甘く入ったスライダーを完璧に捉えて2号ソロを放ち「1勝をつかみとろうとチームでやってきた。やってきたことは、無駄ではなかったと思う」と振り返った。

9月に上級生による問題行動が発覚し、第4週明大戦は4年生全員が出場を自粛する異例の出来事もあった。何度も話し合い、乗り越えてつかんだ1勝。指揮を執る木村泰雄コーチ(62)は「1つ勝てて、ホッとしています。4年生を中心に、全員で戦って勝ち点を取りたい」と最下位脱出を見据えた。【保坂恭子】

▽東大・酒井捷(チームトップの打率3割5分3厘。二塁打5本はリーグトップ)「夏にトレーニングをしてフォームも見直して、長打力がついた。4年生に恩返しできるように頑張りたい」

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