阪神森下翔太外野手(23)が異例ずくめのバットを発注した。22日、岐阜県養老町にある契約メーカー・ミズノのバット工場を初めて訪れた。工房に飾られた歴代名選手のバットから手に取ったのはメジャー最多4256安打のピート・ローズの実使用モデルだった。現代のバットとは一見して異なる形状。グリップエンドが極めて小さく、打球部からグリップへの湾曲がゆるやかな「ずんどう型」の新相棒となる。

★過去の変わり種バット

◆物干しざお 藤村富美男(阪神)はゴルフクラブをヒントに遠心力を生かせば打球が飛ぶと考え、37インチ(約94センチ)の長尺バットを使用。「物干しざお」と親しまれ、代名詞となった。

◆ツチノコバット 藤原満(南海)は1100グラムの太くて重いすりこぎバットを使用。それを勧められたのが福本豊(阪急)で、同じようにヘッドが重い1170グラムのバットを使用。形がずんどうでツチノコに似ていることから「ツチノコバット」と呼ばれた。吉田正尚(レッドソックス)はオリックス時代にツチノコのような形の「バレルバット」を練習で使用した。

◆こけしバット 山崎賢一(大洋)は末広がりの形が嫌という理由からグリップエンドが角張った、見た目が「こけし」のバットを使用。89年はベストナインに輝いた。

◆大谷バット 今季からチャンドラー社製のバットを使用。ジャッジ(ヤンキース)のモデルを参考に、少しだけグリップを細くした、34・5インチ(約87・6センチ)のメープルのバットを使用していた。日本人選手は多くが33・5インチ(約85・1センチ)を使用しており、今季から一気に1インチ(約2・5センチ)長くした大谷のバットは少数派の長尺。