東都野球リーグの中大が20日、鹿児島県内でのキャンプで実戦練習を進めた。主将の桜井亨佑外野手(3年=習志野)は「(東恩納ら)1年生も能力が高いと思うので、競い合って底上げしてきたいなと思います」と充実の表情で話した。

プロ野球を目指す。それよりも「自分が大学に入ってから優勝の経験が1回もないので、とにかく1回優勝して終わりたい気持ちが強いです」と願う。必死にやっているから、高校時代の甲子園での活躍は「今は“高校の思い出”みたいになっちゃってる部分はあります」と笑う。

習志野(千葉)時代、2年生の好打者として注目され、19年センバツで準優勝した。吹奏楽部による“美爆音”も話題になった。「すごい応援で背中を押してもらって。あの応援があったから甲子園に行けたと思います。よく鳥肌が立っていました」と振り返る。

もうすぐ5年になる。当時の3年生エース、飯塚脩人投手は早大に進み、この春、一般就職することが発表されている。桜井にとっても大きな出来事だ。

「自分から見た飯塚さんは、絶対にプロに行く選手だと思っていましたし。これから野球やってる姿を見たかったのもあります。でも、飯塚さんみたいな選手でも野球を辞める状況に陥るのは…大変なことだなと思います」

自身も青学大・常広(広島ドラフト1位)、国学院大・武内(西武ドラフト1位)ら4年生の好投手が居並ぶ東都で、3年生ながら首位打者に輝いた。でも、プロは簡単に入れる場所じゃないことは重々理解している。

「技術はすぐには上がらないので。今の自分の技量で、どうしたらあの投手たちを打てるのかというのをちゃんと考えるというのが、一番結果につながった部分かなと思います」

コンタクト能力と、そういった客観視をできるところが長所。守備にもパワーにも磨きをかけ、夢をかなえたい。【金子真仁】