東都大学リーグの中大に進学予定の沖縄尚学・東恩納蒼投手(3年)が20日、久しぶりにシート打撃に登板した。

すでに入寮を済ませており、現在は鹿児島・霧島市内でのキャンプに参加中。この日は「対打者は、ちゃんとしたのはジャパン(昨夏の台湾遠征)以来かもしれません」という登板ながら、打者6人を1安打。最速は142キロで、スライダーで見逃し三振も奪った。

登板を終えると「まっすぐのコントロールはあまりできてなかったんですけど、ある程度抑えられていたので良かったのかなと思います」と振り返った。痛打もあった。「打者に雰囲気があって、投げミスしたら1発でいかれますし、金属バットだったら絶対に(外野フェンスを)越えているだろうなというのが。あまりボール球に手を出さない感じもあります」と大学生打者のレベルの高さを口にした。

昨秋ドラフト会議での指名がなく、中大へ進学。4年後のドラフト1位を目指す。2月はプロ野球のキャンプ報道に触れる機会もあるものの「まだまだ自分が行ける世界ではないなというのは思いましたし、4年後しっかりそのレベルになって、プロで活躍したいなと思いました」と大いに刺激になっているようだ。

刺激といえばこの日、花巻東・佐々木麟太郎内野手(3年)が米スタンフォード大進学の記者会見を行った。高校通算140本塁打の佐々木に対し、東恩納も高校屈指の右腕といわれた投手。佐々木の進路選択についても、感じるものは多かった。

「勇気もすごいですし、やれる自信もあると思うので、他の人と違うことをやるのはすごい決意だなと思います」

純粋な敬意を口にした。

「自分はプロを目指しているんですけど、麟太郎君はもっと上を見ているというか、メジャーに向かってやっているというか、自分よりも全然意識高いので。そういう面では見習いたいというのもあります。でもまだ自分はそのレベルに立っていないので」

いつか肩を並べるためにも「まずは目の前のことからやっていきたいと思います」と焦らず進む。とはいえ、さすがの世代屈指腕。キャンプ中の実戦デビューを予感させるほど、2月にしては球が走っていた。【金子真仁】