阪神門別啓人投手(19)が「岡田構想」に待ったをかけた。2日に日本ハムとのオープン戦(札幌ドーム)で先発。ピンチを招きながらも、4回2安打1失点。岡田監督は1年間の戦力と考えながらも、開幕ローテーションには入れない方針。その中でも「目指したいと思っているので」と諦めない姿勢を貫いた。チームは敗れ、オープン戦開幕から4連敗で白星から遠ざかっている。

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門別が秘めた負けん気をあらわにした。地元・北海道での凱旋(がいせん)登板。普段通りひょうひょうと厳しいコースに投げ込んだが、2四球と制球に苦しむ場面も見られた。それでも要所は締めて4回2安打1失点。4三振も奪い、十分な内容にまとめた。今季のブレークが期待される左腕だが、岡田監督は開幕ローテーションには入れないことを明言。質問を受けると、自ら切り出して語った。

「開幕ローテはないと言われている中ですけど、それでも目指したいと思っているので。どうなるか分からないですけど、どんどん投げ続けてローテーションに入っていけたらいいなと思っています」

村上や青柳ら6人の先発陣に故障などアクシデントが発生する可能性がある。岡田監督は「今年1年の先発としての1軍戦力になるって何回も言ってるやんか。開幕の6人に入る入らんは、こっちが決めることであって、言う必要はないからな」と開幕ローテ外しの考えを変えなかった。それでも門別は非常時に備え、アピールを続ける決意だ。

2月17日の楽天との練習試合以来の実戦。両親や高校時代の恩師も来場し、名前入りのタオルを掲げる観客も散見された。ビジターながら大応援を受けながらの投球。少年時代、ファイターズジュニアとして登板経験もある札幌ドームのマウンドに「うれしかったです」と笑みを浮かべた。それでも制球などの面では「全然です」と辛口の自己評価。「次の登板を見てもらいたいなと思います」と修正を誓った。

次回は12日か13日のロッテとのオープン戦(ZOZOマリン)での登板が濃厚。修正を積み重ね、逆転の開幕ローテ入りを狙う。【波部俊之介】

○…門別の登板を、日高町(2006年に旧門別町と合併)の「大応援団」が見届けた。車で約1時間半かけて来場した母実保さん(42)は「本当に、近所の人たち、みんないます。知り合いしかいないです」と地元総出の応援だったことを明かした。母校である東海大札幌の大脇英徳監督(48)も観戦。高校3年時以来に、教え子の投球を生で見届けた。「セットに入ってからのリズムもかなり成長している」と目を細めた。門別から中越二塁打を放った日本ハム今川も教え子。「まあ今川が打ったから。よしよし」と喜んだ。またバックネット裏の席では名前入りの巨大横断幕も出現し、左腕を後押しした。

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