大好きな獅子狩りで開幕ローテの座を引き寄せる。日本ハム北山亘基投手(24)が6日の西武とのオープン戦(鎌ケ谷)で先発予定。ルーキーイヤーの22年から対西武は9試合に登板し、パ・リーグ5球団で唯一の防御率戦0・00。2月27日の前回登板は4回無安打無失点の快投を披露し、新庄剛志監督(52)に「ほれたね」と言わしめており、“お得意様”相手に、さらに評価を上げる。

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開幕まで残り1カ月を切ったが、北山はいつもと変わらず、準備を進める。6日の西武戦は今季最長の5回を予定。「イニングを重ねた中でムラのない投球をするのが一つ。投手としてゼロで抑えた中で、内容も伴っていけるような投球をしたい」と意気込んだ。

対西武戦は昨季まで2シーズンで9試合13イニングを投げ、わずか3安打無失点。公式戦と緊張感の違いはあれど相性がいいのは、間違いない。「嫌な印象を与えたい? いや、そんなにない。チェックも全然していないです」。好データがありながら、あえて意識せず黙々と抑え、相手に恐怖感を植え付ける。

落ち着いたたたずまいから「教授」と呼ばれる24歳。さざ波ひとつ立たせない淡々とした心持ちだけでなく、今季は用具もすべてフラットに整えた。「日頃の足裏の感覚や重心の感覚が分かりやすいように」と靴底が平らな陸上用のアップシューズを使用。キャップは最初に届いた物が小さく、頼み直すと、つばが大きいものが届いた。感触も良く「これでお願いしました」と着用を決めた。

開幕ローテ入りに向けたアピールは、意識しても、しすぎない。「とりあえず開幕に合わせていますし、開幕以降も、もっとレベルアップできると思う。常に100%で。それがたぶん終わることはないと思いますが、長い目で見て伸びしろも伸ばしつつ、どんどん突き詰めて」。将来的な成長を見据え、メンタルも常にフラットに整えている。

2月27日の前回登板は自己最速157キロをマークし、4回無安打無失点、4奪三振。新庄監督に「ほれたね」と言わしめたが、慢心はない。「自分の準備をしっかりして試合に入る。その結果どうなるかというところ。まあわくわくした気持ちを大事に」。静かな闘志を秘め、マウンドに上がる。【永野高輔】