中日大野雄大投手(35)はニュースタイルで開幕ローテ入りをアピールした。開幕前最後の実戦となる2軍阪神戦に先発し、5回6安打3失点。多投したスライダーの手応えを重視し、「余力もあり、体も大丈夫」と開幕6人衆入りをにらんだ。

ストライク先行で攻めた70球。序盤からスライダーでカウントを有利に進めた。3回1死から4連打を許し3点を失ったが、表情には満足感も。「スライダーでカウントが取れ、ヒット1本も打たれてない。自信にしていけば(投球の)幅も広がる」。スライダーは約20球で、従来の倍以上の比率。ツーシーム、カットボールを駆使して沢村賞などに輝いた左腕が、新スタイルを前面に出した。

「三振が取れなくなってきているのは事実。球威も多少は落ちている。真っすぐとツーシームだけじゃ手詰まりになる」。今季で14年目、36歳を迎えるベテランは冷静に自己分析。ツーシームを投げる場面に第3の変化球を織り交ぜた。「右打者の『えっ』という反応が多かった。頭にスライダーあるんちゃうか、と思ってもらうだけで変わる。球種が少ないので、どの球でも勝負できるようにしていきたい」と意図を明かした。

開幕ローテは柳、涌井、小笠原、メヒアまで当確。5番手以降を松葉、仲地、梅津、根尾らと競う。「いきなり8回、9回完投というのは、僕自身も難しいと思う。春先はイニングが増えなくても、球数を使ってでも丁寧に投げて抑えていく」。昨季は開幕後の左肘手術でわずか1試合の登板だった。アラフォー左腕が復活を懸ける球春への誓いを口にした。【伊東大介】

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