1年ぶりの“スガコバ”バッテリーが、あうんの呼吸で12個のアウトを重ねた。

巨人菅野智之投手(34)が2番手で4回無安打無失点。小林誠司捕手(34)と昨年3月18日の日本ハム戦以来のバッテリーでロッテ打線をノーノーに封じた。ともにドラフト1位で同学年のベテラン2人。阿部慎之助監督の45歳の誕生日に勝利をプレゼントし、シーズンでも22年6月以来となるコンビ結成の可能性が出てきた。

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菅野が小林と拳をグッと突き合わせた。6回2死一塁からロッテ・ポランコを142キロカットボールで左飛に仕留めた。味方の失策で唯一の走者を出した後、簡単に後続を断った。ベンチに戻りながら互いに歩み寄ってグータッチ。菅野は「去年もずっと見ていて、いろいろ思うこともあったと思うし、身をゆだねて投げた。さすがのリードをしてくれた」と感謝した。

昨季、菅野は自己ワースト4勝で、小林は21試合出場にとどまった。シーズンでバッテリーを組むことはなかった中、さびない信頼関係で結ばれる。ブルペン、試合の映像をチェックした小林から「ここいいね」とよく気遣ってもらい、励まされた。4回5安打2失点だった前回登板の13日ソフトバンク戦後もカットボール、変化球の使い方の助言を受け、「簡単に抑えられると思うんだけどな」と背中を押された。1週間後に実現した“スガコバ”バッテリー。「任せるよ」と信じ、結果を出した。

4回をテンポよく47球。「こんなので満足はしていられない。いい形で自分のオープニングゲームを投げられるように」と好感触の中で気を引き締め直した。来週はイースタン・リーグで登板し、開幕を迎える。苦楽を知るベテランが意地を示すシーズンにしていく。【上田悠太】

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