巨人岡本和真内野手(27)が「消えた二塁打」を放った。

両軍無得点の6回1死二塁から広島森下の149キロ直球を打ち損じ、バットをたたきつけ悔しがった。打球は高く舞い上がり、広島二塁手矢野に落下点を固められた。しかし、打球は消えた。61・69メートルの天井につり下がるカメラエリアに吸いこまれた。東京ドームの特別グラウンドルールでエンタイトル二塁打。まさかの先制適時二塁打に「何が起こったかも分からなかった。本当に一生あるかないかのところに入りましたね」と天井を見上げた。

幸運の珍打であり、“殿堂級”の豪打でもあった。過去には侍ジャパンの大谷が16年11月15日オランダ戦で、松井秀喜氏が02年7月18日横浜戦で、ともにドーム天井の隙間にもぐりこむ打球を放っていた。いずれも特別ルールでエンタイトル二塁打で、サイン入りで「野球殿堂博物館」に展示される。ミスショットでも“天井二塁打”となったのは規格外のパワーゆえだ。

ラッキーは続いた。8回無死一、三塁からは遊撃への当たり損ねのゴロも同点適時打に。球場には「お守り」として高級ブランド・ゴローズのネックレスを首に着けて向かう主砲。「どんな形でも打点は打点なので、これからも積み重ねていきたい」と運も味方し、適時打2本を放った。12回1死からは二塁打で出塁し、3冠王の主砲がサヨナラ勝ちを演出。昨年6月以来の5連勝を呼び込んだ。この強さは幸運じゃない。本物だ。【上田悠太】

▽巨人阿部監督(岡本和の天井直撃打に)「落ちてこないので、東京ドームのベンチにルールが書いてあった。ラッキーな1点でしたね。野球の神様が見てくださってるんじゃないですかね」

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