最速158キロのロマン左腕がデビューした。日本ハムのドラフト1位ルーキー細野晴希投手(22)が20日、イースタン・リーグ、オイシックス戦(鎌ケ谷)で初登板初先発。1回を16球、1安打無失点1三振で、最速は153キロだった。ここまでは東洋大時代の疲労を考慮し、時間をかけて調整。「大卒なので結果を」と緊張気味で上がったマウンドで大器の片りんを見せた。

「ラッキー、みたいな」。ゆったり右足を上げた細野が、1番の高にフルカウントから投じた8球目、152キロ直球は内角ギリギリに決まった。球審のコールがワンテンポ遅れる絶妙な1球。狙いは「そこら辺を狙ったら適当にばらけるから」と全て“真ん中”だった。「高めで空振り取ろうと思っていたらたまたまあそこに」と、偶然に緊張がほぐれ、難なく予定の1イニングを投げ切った。

試合前のブルペンは制球が全く定まらなかった。それでも「ブルペン、あんまり気にしないんですよね。マウンド行ったら1球目から良かった」と独特の感覚を持つ。金子ファーム投手コーチは「徐々に試合に慣れてほしい。彼本来の球を投げれば、そう簡単に打たれることはない」とその球威に舌を巻く。将来性豊かな左腕が、ゆっくりプロとしての一歩を踏み出した。【黒須亮】