阪神の史上最速優勝を中心でけん引したのは、間違い無く佐藤輝明内野手(26)だった。
今季3月28日、広島との開幕戦では初打席初本塁打。12球団の今季最速弾となる、1号本塁打で最高の幕開けを決めた。直後に17打席無安打と不振に陥るも、脱却して以降はすさまじかった。4月終了時点で9本塁打をマーク。シーズン51発ペースでアーチを量産していった。6月5日の日本ハム戦(エスコンフィールド)では、自身通算100号本塁打も達成。8月8日ヤクルト戦(京セラドーム大阪)では、初の大台となる今季30号にも両リーグ最速で到達した。
開幕当初は3番での出場が続いていたが、4月15日ヤクルト戦(松山)で配置転換。同戦以降は出場全試合で4番に座り、「3番森下」、「4番佐藤」の並びが定着した。昨季23失策を犯した守備面も、大幅に改善。投手を助ける好守はあっても、ピンチを広げるミスはほとんどなかった。23年、24年の2年間は三塁で固定されてきた中、今季は開幕前から藤川監督に外野での起用も示唆されていた。26試合で右翼手として出場し、自身初となる左翼も1試合守った。ブランクを感じさせない身のこなしを見せた。
まさに自身の殻を打ち破る1年となっている。4球団競合の末、20年ドラフト1位で阪神に入団。1年目から24本塁打を放つなど、期待に違わぬパワーを見せてきた。一方で同年の24本塁打が自身のキャリアハイとなっていた。今季のセ・リーグは巨人岡本やヤクルト村上、DeNAオースティンの離脱などもあり、本塁打レースを常に独走し続けた。球団では86年のバース以来39年ぶりとなる本塁打王獲得も、ほぼ確実と言っていいだろう。「大器」と言われて迎えたプロ5年目。とうとう完成のときを迎えた。



