統一ベースを巡り、珍しいシーンがあった。

阪神が初回の攻撃を終えると、球場スタッフが一塁に走った。一塁ベースを1度抜いて、もう1度さし込んだ。

NPBでは今季から、1辺が7センチ超広くなった「統一ベース」を導入している。一方でアマのベースは旧来通り。各球場では、ベースのさし棒を可動式にしたり、ベースを入れる穴を2つにする、のどちらかで対応している。

今回は間違って旧ベース仕様にしてプレーボールがかかったという。ファウルエリアに数センチ、ベースがはみ出しているのを、一塁塁審の川口亘太がすぐに気づいた。プレーを止めるタイミングを図っていたが、流れを止めないように配慮。イニング終了後に速やかにスタッフを呼んだ。NPB32年目の大ベテランは「もちろん、初めて見ました」と苦笑いだった。

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ファウル側にはみ出した部分にボールが当たっていたらどうなっていたのか。

公認野球規則の5・09「アウト」の(b)(4)「規則説明B」には以下のようにある。

「あるプレー中に塁のバッグまたはホームプレートが定位置から離れたとき、引き続いて、次の走者が進塁してきて、元の塁が置かれていた地点に触れるか、またはその地点にとどまれば、その走者は正規に塁に触れたもの、または正規に塁を占有したものとみなされる」

バッグ(ベース)が何らかの理由でずれた場合は、本来あった位置をベースとしてみなすという規則。その逆は明記されていないが、ファウル側にはみ出した部分は「本来ないはずの場所」のため、ファウル部分はあくまでファウル。かりにその同部分に打球が当たったとしてもファウルとして扱われていたことになる。

大小さまざまな影響が伝わってくる拡大ベース。開幕2戦目で起きた、まさかの珍事だった。【柏原誠】