<ヤクルト6-3巨人>◇29日◇神宮

 高田ヤクルトが今季巨人へ移籍したラミレスに続き、グライシンガーも攻略して連勝を飾った。開幕前日に「ひと泡もふた泡も吹かせたい」と話していた高田監督は「もうふた泡いっちゃったね。もう少し多めに言っておけば良かったかな」と、笑みがこぼれた。

 昨季チームのエースとしてリーグ最多16勝を挙げたグライシンガーだけに、ナインも「すべてのボールが一級品で打つのは難しい」と口をそろえる。それでもチェンジアップが悪いとみて直球とカットボールに的を絞り、制球の良さを逆手にとり積極的に打った。5回まで毎回の10安打で3点を奪い、6回でマウンドから引きずり下ろした。

 この日もラミレスの守備を突く走塁に、盗塁やランエンドヒットなどの機動力全開で白星を引き寄せた。宮本は「若い選手が走り回って、グラウンドと目指す野球が一致しているんじゃないかな」。外野が広くなった庭とチームの空気が相乗効果ももたらしていると分析する。

 1つの目標だった巨人からの開幕3連勝が見えてきた。青木は「ミスをしてもほかの選手がカバーしているし、勢いを感じる。強いチームの典型」と確かな手応えを感じている。【松本俊】