<楽天9-1ロッテ>◇3日◇Kスタ宮城

 野村楽天が、ついに単独首位に立った。昨季2冠の山崎武司内野手(39)が2発のアーチで、7連勝に導いた。3回2死、2号ソロをマーク。仙台で打つと予告していたプロ野球32人目となる通算300号本塁打だった。さらに5回無死一、二塁から、2打席連続の3号3ラン。平日デーゲームにもかかわらず、詰めかけた楽天ファンを熱狂させた。エース岩隈久志投手(26)は7回2安打無失点。投打の役者そろい踏みの横綱野球。強さは本物だ。

 両手を挙げてのウイニングラン。視界に「山崎武300号」のボードがいくつも飛び込むのが、うれしかった。「地元で決める」の宣言通り、遠征前の最後に決めた。お立ち台では「雨で中止にならなくて良かった。日ごろの行いがいいのかな?

 すぐに(雨は)上がってくれました!

 連勝?

 みんな調子がいいので15くらいしちゃう?

 連勝して帰ってきま~す」。Kスタを爆笑の渦に誘った。

 3回、外角低めのフォークを、両手を伸ばしてすくい上げた。直後に雨が強くなり中断したが、10分で雨は止んだ。楽天の勢いは、雨でも止まらない。5回は、「ずっとカーブを打とうと待っていたんだ」。狙いすました通算301号だった。「池山さんが304号。まずは目先の池山打撃コーチを抜いて、何も言わせないようにしてやる。ガハハハ」と笑い飛ばした。

 連勝を7に伸ばして野村監督は「どうもすいません。また勝っちゃった。お見事のひと言に尽きる勝ち方。塁に出る人が出て、かえす人がかえして。理想的な展開。エースが抑えて。負けるわけがないよな。3年目で確実に力はついている」とニンマリ。「山崎には『3連発行け』ってハッパをかけたけど、ダメだった。あいつ3連発あるか?

 オレは3回くらいあるんだよ。余計なこと言って、どうもすいません」と舌好調は止まらない。さらに「3冠王のチャンスや。まだ早いけど。大きな目標を持つのはいいこと」と3冠指令まで飛び出した。伝え聞いた山崎武は「そのわりに『オレ(通算657号)の半分や、おめでとう』って言うんだ」と冷やかされたと笑った。

 ナイターでソフトバンクが敗れたため、単独首位に立った。デーゲームを制した野村監督は「日本ハムはダルビッシュ?

 可能性あるな」と首位浮上を予言。ただ「順位にこだわる時期じゃない。まだ(仙台は)桜も咲いてないだろ」と慎重だった。それでも、連勝には「八は末広がり、8が行けば、続くんじゃない」と4日の西武戦が節目と話す。試合前は5試合ノーアーチで「今年は10本か?」と不安を口にした主砲も目覚めた。杜(もり)の都の桜より、一足先に投打満開。立つべくして、首位に立った。【金子航】