「トラッキーをリーゼントにしてでも」-。阪神が横浜からFA宣言した三浦大輔投手(34)獲得に向けて、究極の口説き文句を検討していることが18日、分かった。球団の人気マスコット・トラッキーを「リーゼントにしてでも」という爆笑ラブコール。関西出身の右腕の心を開く文句となるかもしれない。また交渉期限を無期限とし、越年も辞さない決意で臨む。19日午後3時の公示後に獲得の意思を表明。交渉解禁となる20日に電撃アタックする。

 阪神が横浜からFA宣言した三浦獲得へ、関西球団にしかできない「技」を繰り出す構えだ。ナニワ流の爆笑ラブコール。球団首脳は「番長と呼ばれているが、素顔はかなりの好人物と聞いている」と話す。冗談の通じる人柄ということを考慮。故郷を思い出させる関西弁&しゃれっ気たっぷりのトークで、奈良県出身の右腕を和ませる作戦だ。

 FA交渉といえば口説き文句だ。阪神では、かつて吉田監督が当時西武からFA宣言した清原との交渉の中で「タテジマをヨコジマにしてでも」という名ゼリフで口説いた。今回も心に響くひと言を熟考中だ。そこで浮上したのが「トラッキーをリーゼントにしてでも」。三浦のトレードマークの髪形と阪神の人気マスコットのコラボレーション。笑える決めゼリフではあるが、球団首脳は「それは簡単なことやね」と前向きだ。具体的な話に進展した場合でも、実現は可能と踏んだ。三浦登板日限定でマスコットの頭部をリーゼントにすれば、ファンサービスにもなる。

 日を追うごとに三浦獲得のモチベーションは高まる一方だ。FA選手は19日午後3時に公示され、同日に阪神球団主催のゴルフコンペが行われる予定。南球団社長や真弓監督ら首脳が集結し、最終の意思確認が行われ獲得を表明する予定だ。そして交渉解禁となる20日には、電撃アタックする方針も固めている。

 素早く阪神入りを決意させたいが、球団首脳は「1度の交渉で決まればいいが、こちらからせっつく必要はない。相手もあることだから、いくらでも待てばいい」と説明した。三浦が時間をかけて考えたい意向ならば、越年覚悟で待つ姿勢だ。

 すでに最長5年契約に最低で総額11億円という破格の契約内容を提示する方針だ。この条件に絶妙トークを加えて、虎が「ハマの番長」のハートを射止める。