アーチ増量いける!

 阪神新井貴浩内野手(32)が、09年シーズン用の「本塁打量産バット」で柵越えを連発した。第2クール3日目の7日、フリー打撃の92スイングで11サク越え。飛距離が出る新型バットでは、ド派手に左翼へ4連発だ。10日からの次クールは、アニキも屋外での打撃練習を開始予定。AK砲が、沖縄の青空に放物線を描く。

 最後はフルスイングだった。新井が力を込めた鋭い振りで、05年本塁打王の片りんを披露した。力強い打球を次々と左翼にたたき込む。フリー打撃92スイングで11サク越え。快音が青空に響いた。

 新井

 (スイングは)今の段階では全開です。これからは振り込んでいく。まだチェックすることはいろいろある。

 プロ11年目で初めて別メニューでキャンプイン。その初日は室内で439スイングするほど意気込みは抑えきれなかった。第2クールで本隊に合流するや即ハッスル。打撃練習でも、自ら取り組む課題が技術面に移ったことは、昨夏に疲労骨折した腰の不安がなくなった証拠だ。

 昨季は8本塁打に終わって「ホームランが少なすぎた」と反省。今キャンプでは重心をヘッド寄りに置く新型バットを準備した。その新相棒はさらに重心の位置がヘッド寄り、中間、グリップ寄りと3タイプに分かれている。日替わりで感触を試しているが、この日の4連発は3種類の中でも最もヘッド寄りに重心があるタイプだった。

 自慢の飛距離を披露して準備は整いつつある。この日は10日からの第3クールで特打特守をスタートする考えを明かした。権田トレーナーは「特打特守ができれば、完全な本隊合流です」と話し、今後の練習では一切の制約がなくなる見通しを示した。

 新井は実戦参加の時期について「(真弓監督に)言われたところでやるだけ。大事なのはいかに開幕を迎えるか、です」。その言葉に腰の不安をぬぐい去った自信が漂った。【益田一弘】

 [2009年2月8日11時59分

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