中日トニ・ブランコ内野手(28)の天井直撃弾が永久保存されることが18日、分かった。ブランコは5月7日の広島戦の4回にナゴヤドームの天井スピーカーを直撃した同球場初の認定本塁打となった。このボールはスタンドに投げ入れられて行方不明となっていたが、この日までに球団に戻っていることが判明。球団では、歴史的なボールをナゴヤドーム3階一塁側にある「ドラゴンズミュージアム」で一般公開することを検討しており、早ければ20日のオリックス戦から展示される見込みとなった。

 ブランコの天井直撃弾は、最近まで行方不明になっていた。5月7日の広島戦の4回、前田健の低め141キロをすくい上げた打球は、超高角度の弾道で左翼方向に飛び出し、レフト定位置の後方から50メートルの高さにつり下げられる形で設置された天井スピーカーを直撃。跳ね返って左翼、中堅、遊撃の真ん中にポトリと落ちた。97年に創設されたナゴヤドーム初の認定本塁打。驚異の5号2ランに球場の熱狂が高まる中、広島選手がスタンドにボールを投げ入れていた。

 もう戻らないと思われたボールは、実はキャッチしたファンの好意で球団に届けられていた。球団では、歴史的なボールの扱いを検討。まずはファンに公開し、あらためて感動を味わってもらおうと考えたもよう。球団関係者は「あのボールはドラゴンズファンだったら誰もが見てみたいだろうし、せっかくだから展示しようとなった」と説明。早ければ20日のオリックス戦から展示される見込みとなった。

 展示されるのはナゴヤドームにある「ドラゴンズミュージアム」となるもよう。同所では中日の歴代ユニホーム、07年日本シリーズの優勝ペナントなどが展示されている。立浪の2000本安打、山本昌の200勝など個人記録にちなんだものなど、お宝グッズがズラリと並んでいる。そこに天井スピーカー直撃弾を加えても、遜色(そんしょく)ないと判断されたようだ。球団関係者は「記録ではないのに個人のものが展示されたことはこれまでないのでは」と話した。

 ブランコはここまでセ・リーグ本塁打王争いダントツの19本塁打をマーク。ただ打つのではなく超特大のアーチをかけるのが特徴で、昨年までの主砲タイロン・ウッズをしのぐインパクトを残している。衝撃の始まりが、本拠地の天井スピーカー直撃弾。当時の衝撃をあらためて実感できるとなれば、ファンにとってこたえられない企画となりそうだ。

 [2009年6月19日10時33分

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