<阪神5-1巨人>◇28日◇甲子園

 虎が足も使って巨人を倒した。3-1と2点リードの6回。先頭の大和内野手(21)が2球目をセーフティーバント。投手と一塁手の間に転がし守備を乱す。記録は相手失策になったが、まずは小技で出塁した。打席の前に、木戸ヘッドコーチに「1球目で守備位置を見て、やれるならやってみろと言われたので」と作戦を耳打ちされていたことを明かした。

 続く鳥谷敬内野手(28)が、直球を右翼線に引っ張る。大和は三塁到達時点で山脇守備走塁コーチの右手人さし指がくるくると回っているのを確認すると、スピードを落とすことなくホームベースを陥れた。「ライトに抜けた時点でホームに行けると思っていたので山脇さんしか見ていませんでした」。結局、後続は捕邪飛、三振、一ゴロ。大和の足が生きた。

 5回には新井貴浩内野手(32)だ。1死一塁で走者の新井は6球目にスタートを切った。桜井の打球が中堅の右寄りに落ちると、迷うことなく三塁を狙う。タイミングは微妙ながら判定はセーフ。一気に好機を拡大し、続く狩野の1発を呼び込んだ。真弓監督も足で相手を崩したことに「少しずつ流れが出てくる」とニヤリ。目指した機動力野球が、少しずつ形になってきた。

 [2009年8月29日12時37分

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