＜中日２－６巨人＞◇９月３０日◇ナゴヤドーム

　今季限りでの現役引退を表明した中日立浪和義内野手兼任打撃コーチ（４０）が本拠地のファンに別れを告げた。事実上の引退試合となったナゴヤドーム最終戦に「６番一塁」でフル出場。満員のファンが見守る前で０６年以来となる３安打を放った。中日ひと筋２２年、歴代７位２４８０安打の実績とともに、象徴であり続けた男は最後に涙のスピーチで締めくくった。

　カクテル光線を浴びた立浪がグラウンド中央に立った。愛する家族から花束を渡されると涙を流した。

　立浪

　プロに入る前はこの体でやっていけるのかなと思いました。でもプロに入ってからは、体が小さいと思ったことは１度もありません。そういう気持ちでやってきました。最高の仲間、ファンに恵まれ、最高の野球人生を送ることができた。これで心おきなくバットを置くことができます。

　最後は仲間の手で背番号と同じ３度胴上げされ、宙に舞った。右肩を故障したプロ２年目以外ほぼすべて１軍にいたが、晩年はケガとの闘いだった。この日もケガと闘った。９月２６日に腰痛を発症。「最後の最後まで（ケガに）苦しめられた」。前夜、痛み止めの注射を打ち、その上で落合監督にスタメン出場を直訴した。４打席で右前打、中前打、二ゴロ、９回の最終打席は代名詞でもある二塁打。生きざまを象徴した試合だった。

　立浪

　この体でよくここまでもったと思う。

　これからクライマックスシリーズを勝ち抜けば、日本シリーズ。日本一を花道に－。最後まで立浪がチームを引っ張る。

　［2009年10月1日8時10分

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