日本ハムの新外国人、ボビー・ケッペル投手(27=ツインズ)が、恩人との再会を熱望した。バディ・カーライル投手(32=ブレーブス)とともに30日、成田空港着の航空機で来日した。昨季までメジャーで登板したケッペルは、16年前に日本を訪れ10日間滞在した経験がある。当時受け入れてくれたホストファミリーに「あいさつがしたい」と訴えた。今は居場所も分からず名前も忘れてしまったが、相手方に気がついてもらうため、日本での活躍を誓った。

 13インチ(約33センチ)の大きな足で日本に降り立ったケッペルの目標は、チームの日本一と「涙の再会」だった。11歳のときに米ミズーリ州の選抜チームとして来日した。福岡にホームステイし「すばらしい記憶がある。ホストファミリーの方にお世話になりました。名前も覚えていないけど、会ってあいさつがしたい。(活躍して)新聞などに情報を取り上げてもらって、見つかればいい」と、一世を風靡(ふうび)したテレビ番組「嗚呼

 バラ色の珍生!」のように、“あの人に会いたい”と訴えた。

 手がかりはわずかだ。残っているのは、10日間の滞在中に撮影した、わずかな映像のみ。「2人の男の子と女の子がいた」と、5人家族だったことが数少ない有力情報。妹が日本で英語教師をしており、電話で連係するつもりだが、簡単に見つかるとは思えない。

 そこで立てたのが「メディア露出大作戦」。マウンドで活躍して報道される機会を増やし、相手に名乗り出てきてもらうというもの。196センチの長身から、150キロを超える直球のほか、チェンジアップやスライダーなど変化球も多彩。昨季はメジャーで37試合にも登板しており、「日本ハムは7人がゴールデングラブ賞を獲得する守りのチームだと知っている。自分も力になって、チームが勝つためにできることを出していきたい」と、自信をのぞかせた。

 リーグ連覇に貢献することが、涙の再会への近道。球団の期待通り、先発ローテの一角として結果を残せば、「一生懸命探しました。そしてケッペルさん…見つかりましたよ」。どこかで聞いたこんなセリフとともに、感動の対面が待っている。【本間翼】

 [2010年1月31日10時24分

 紙面から]ソーシャルブックマーク