華麗なる守備と俊足でアピール成功だ!

 ブーちゃんこと中日のドラフト3位中田亮二内野手(22=亜大)が12日、沖縄・北谷球場で行われた1、2軍合同の実戦守備練習に参加。1軍首脳陣が見守る中、一塁手として軽快な動きを披露した。走塁練習でも二塁から本塁へ激走。愛くるしいキャラで人気急上昇中のブーちゃんが、観客とチームメートの視線を独り占めにした。アピールに成功し、目標の1軍に1歩前進だ。

 ブーちゃんが観客のハートをいきなりつかんだ。沖縄キャンプで実施された1、2軍合同の実戦守備練習。一塁の守備についた中田亮は、一、二塁間を抜けそうかという安打性の当たりに反応。逆シングルでキャッチすると、体を反転させ、カバーに入った投手にすぐさま送球した。観客席からは「オー!」という驚きの声ととも、称賛の拍手が巻き起こった。

 「思った以上に緊張せずにプレーできた。普通には出来たかなと思う」。俊敏な動きと軽快なグラブさばきを、1軍首脳陣の前でいきなり見せつけた。

 守備だけではない。走塁練習では二塁から左前への打球を確認すると激走。三塁ベースを蹴ると、全力で本塁に滑り込んだ。身長171センチ、体重118キロ(公称115キロ)のブーちゃんがユニホームを泥だらけにした。迫力満点のプレーはそれだけで観客を納得させるのに十分だった。見守った川相2軍監督は「思ったより動けるし、ハンドワークも良い。(守備については)本物の打球でどこまで出来るかだね」と目を細めた。

 観客だけではない。その際立ったキャラは初対面の先輩たちも一気に引きつけた。この日、中田亮の足元はいつもとは違い、ズボンのひざから下はストッキングを見せた状態の「クラシックスタイル」。恥ずかしそうな表情を浮かべる中田亮は「谷繁さんと小田さんに『上げた方がかっこいいぞ!』って言われて(ズボンのすそを)上げられました」と説明した。チーム内でも注目の的となったブーちゃんは、いきなりいじられ役だ。

 次は得意の打撃をアピールしなければならない。現段階でも手首が柔らかくコンパクトな打撃は2軍首脳陣から高い評価を得ている。この日は打撃披露の機会はなかったが、中田亮は「あこがれの人たちと一緒に練習できてうれしかった。次は打撃でアピールしないといけない。そっちの方が大事です」と意欲的だ。体に似合わない守備、走塁、そして強烈キャラで猛アピールしたブーちゃん。今度は持ち味の打撃を披露して、1軍入りを目指す。【桝井聡】

 [2010年2月13日10時49分

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