<中日6-1阪神>◇4日◇ナゴヤドーム

 横浜や広島は見逃してくれても、中日は見逃してくれない。ミスの差がそのまま結果に表れた虎の3連敗だった。「ヒットも少ないけどしっかり小技を決めないとチャンスは広がらない。点も取れない。3連戦、悪い方ばかり出た」。3試合とも救援陣が打たれての逆転負け。だが真弓監督は、3つの貯金を一気に吐き出した敗因を、ふがいない攻撃陣のつなぎに求めた。

 この日も勝負所でのバント失敗が分岐点になった。19歳右腕伊藤に2回以降無安打に抑えられ、同点で迎えた8回。先頭桜井がヒットで出た。だが下柳の代打、浅井のバントは投前への小飛球。代走藤川俊も帰塁できず、最悪の併殺で下柳の白星の可能性も消えた。「攻撃で(ミスが)出ると流れは向こうに行ってしまう」。一瞬でつぶれたチャンスは後味の悪さだけを残し、その裏久保田が5失点を食らう引き金となった。

 第2戦も1点が欲しい場面で大和、関本がバント失敗。1イニング5得点の陰に隠れたが初戦も安藤が送れず、好機をつぶしかけた。結局中日3連戦は4度試みてすべて失敗。一方中日は4度すべて成功。いずれも1点を争う接戦だけに、成否の差が明暗を分けた。得点圏に走者が進まなければ、強力打線も宝の持ち腐れだ。

 3連戦で喫した併殺数は、中日の2に対して阪神は8(三振併殺などを含む)と拙攻も目立った。だが真弓監督は「打ちにいってのゲッツーは仕方ない。でもバントは自分を犠牲にして送る作戦。しっかり決めてもらわないと」と前日から4度目となる同じセリフを繰り返し、口酸っぱくつなぎの重要性を訴えた。勝率5割で、6日からは甲子園で巨人戦。今一度基本に立ち返り、借金生活は回避する。【松井清員】

 [2010年4月5日11時11分

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