ソフトバンク王貞治球団会長(69)が14日、チームのG倒へ“敵地”東京ドームに乗り込むことを宣言した。26、27日に行われるビジターでの巨人戦視察に「行きます」と明言。敵地に出向くのは異例のケースで、この日は2連敗で交流戦3連覇に暗雲スタートのチームに強烈メッセージも送った。

 異例の敵地視察が、王会長のホークスによる打倒巨人への思いを表していた。「東京ドームの巨人戦?

 行きますよ。スケジュールが合えば。合間を見てね」。多忙なスケジュールのため最終決定ではないが、めったにないビジター視察に意欲を示した。

 交流戦3連覇へ強烈メッセージを送った。チームは前夜までの中日2連戦で、まさかの連敗スタート。それでも、立て直す時間は十分にある。

 「優勝という意識を強く持ってね。ウチがはっきりとした目標を持ちやすい。3連覇でゴールしよう、と。賞金も出るのだし、どこかのチームがもらうのだったら、ウチがもらおうとね。(夏場以降の戦いにも)トップでゴールするのは大きいから」

 ただ、そのためには倒さなければいけない相手がいる。それが、巨人だ。

 05年以降、チームの巨人戦は24試合14勝10敗と大きく勝ち越しているが、敵地に限れば12試合5勝7敗。ビジターでのカード勝ち越しは交流戦1年目の05年(2勝1敗)以来ない。今年2月の春季キャンプ中に巨人との練習試合を視察した際、王会長は「課題を残したまま終わっている。秋山監督にぜひ、そのときの雪辱を果たしてほしい。巨人を倒しての日本一を実現してほしい」と、00年のON対決で日本一を逃したことに触れている。現在、王球団会長は巨人OB会長も務めているが、異例の敵地入りは巨人戦への意気込みが強いからに違いない。

 もちろん、編成と育成を束ねる身として、巨人の育成システムをチェックする最高の機会との理由もある。チームは主砲松中が2軍調整中で、ペタジーニも実戦参加の時期を見定めている段階。球宴前には左手首を骨折した松田の復帰も見込まれ、反攻材料は多い。交流戦3連覇とソフトバンク球団として初のリーグ制覇へ、敵地東京ドームで、王会長がエールを送る。

 [2010年5月15日12時13分

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