<日本ハム2-3阪神>◇30日◇札幌ドーム

 阪神の4番金本知憲外野手(42)が打線の中心で機能し、前回本拠で2連敗だった日本ハムに借りを返した。2-2でもつれ込んだ延長11回無死一、二塁。2球目の高めに浮いた直球を、強烈なライナーで右翼線へ運んだ。一塁手の真横を打球が通過したため、二塁走者の大和内野手(22)がスタートを切れず、三塁でストップ。無死満塁でおいしいところを持って行ったのが弟分の5番新井貴浩内野手(33)だった。

 「とにかく何とかしようと。もう、食らいついた感じです」。新井は打席に向かう途中、一塁塁上で苦笑いを浮かべている金本の姿が目に入った。アニキの一打を無駄にするわけにはいかない-。ヒーローになり損ねた金本の思いもバットに乗せ、決勝中犠飛を打ち上げた。「何とかね。よかった」とホッとした表情を浮かべた。

 今季初猛打賞の金本は、指名打者として出場する今交流戦6試合で打率4割9厘と、全試合で安打継続中。和田打撃コーチは「いろんな球に対応できてる。中心がしっかりすれば(打線も)活発になってくる」とほめちぎった。この勢いのまま、楽天が待ち受ける仙台に乗り込む。

 [2010年5月31日8時22分

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