あるぞ、1番復帰!

 右手人さし指痛の阪神鳥谷敬内野手(28)が1日楽天戦で5試合ぶりにスタメン復帰する可能性が出てきた。試合を前にした5月31日、札幌から移動後、Kスタ宮城で練習。遊撃からの一塁送球などノックを再開して「明日、問題がなければ出られると思う」と明言。3番マートンが好調なだけに首脳陣は1番での起用も模索。最終的には1日の状態を見て判断するが、打撃好調の鳥谷が戻れば、大きな力になる。

 鳥谷が、遊撃の定位置に入って腰を落とした。ゴロを捕球して、一塁の真弓監督に向けて右腕を振るう。5割程度の力だったが、捕る、足を運ぶ、投げるの基本動作をきっちり行った。5月26日西武戦からスタメンを外れていた鳥谷のノック再開。ボールを受けた指揮官から「球はいいボールよ。回転もいいよ」と大きな声で言われた。その後も練習終了まで遊撃の位置に入って、フリー打撃の打球を捕るとボールを投げた。

 鳥谷

 万全というわけではないが、投げられるようになっている。思い切りは投げられないが、塁間ぐらいはしっかり投げられる。明日(1日)問題がなければ、出られると思う。

 スタメン回避した最近4試合は代打で起用された。一発勝負の「ひと振り稼業」で、4打数3安打3打点1本塁打と活躍。ただあくまで早期の先発復帰が目標だ。久慈守備走塁コーチは「先発の可能性もある。監督がどのレベルでOKを出すか。本人はいけるなら少しでも早くと思っている。(送球は)今まで投げた中で本人も一番手応えがあるみたいだ」と口にした。

 鳥谷復帰となれば、首脳陣は従来の3番の選択肢を残しつつ、新たに1番起用も視野に入れている。現在は3番マートン、4番金本、5番新井がしっかり機能。和田打撃コーチは「マートンの状態もいい。(DHで)カネ(金本)も使える。(現在の)クリーンアップの前に塁に出られる選手を出したいということはある」。真弓監督は1番鳥谷の可能性について「まず明日試合に出られるかどうかだけどね。楽しみにしておいてください」と言った。

 最終的には1日の状態を見て、判断することになるが、打撃好調の鳥谷が復帰すれば、チームにとって大きなプラスだ。鳥谷は「(患部の痛みは)気にならないこともないが、痛くても投げられればいいので」と意欲をみせた。【益田一弘】

 [2010年6月1日11時14分

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